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江戸蔵前で札差屋を営む豪商戸倉屋彦兵衛は、一人娘おたかを松平伯耆守の部屋勤めに送り込んで己れの栄華を誇ろうとした。だが、その婚礼の晩、おたかが姿を消してしまったのだから、彦作はもち論、松平江戸家老高坂も大あわて。ただ一人、戸倉屋の隠居彦右衛門だけはおたかの行先を知っていたが……おたかの行方に五百両の金がかけられた。この金目当に、おたかにまつわりつく飛脚の三吉、旅人呑みこみの金介、鳥追おかつらの一行。絡み絡みあって一行は三島の宿に来た。折しもこの宿に姿を現わしたのが草間の半次郎。彼は、三年前戸倉屋の伜彦作に身を汚されて姿を消した妹お雪を探し求めているのだ。おたかは一眼見て半次郎に惚れた。沼津の宿でまたまた出会った半次郎に、おたかは酔った揚句にしだれかかり、そのまま酔つぶれた。それを知ってか知らずか、彦作、高坂の一味がおたかを追ってきた。--東海道を上っ...
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