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神戸、夜。立花組の正夫は、兄貴分の辰吉と連れ立ってキャバレーを出た。突然、銃声が響き辰吉が倒れた。犯人は同じ立花組の幹部立石だった。正夫は仲間にも、警察にも口を割らなかったが、奈美子にだけは洩らした。奈美子と知り合ったのは一年前だった。正夫は博多の人形問屋のあととりだったが、女給で年上の奈美子が好きになり、親の反対にあって、神戸に駈落ちしたのである。翌日、正夫はボスの立花に呼び出され、口止料を握らされた。単なる立石と辰吉の勢力争いではなかったのだ。犯人として、チンピラの五郎が立花につきそわれて自首した。が、日東新聞神戸支局の記者木元だけは疑いをもち、正夫の行動を監視し始めた。辰吉の葬儀の日、正夫は辰吉の妹文枝の接待役を命じられた。彼は文枝を連れて神戸を案内した。惹かれるものを感じた。正夫は急に自分が腹立しくなり、文枝に真相を打明け、さらにその足で日東...
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