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横浜野沢屋デパート四階ギャラリーは、長谷良次写真展でにぎわっていた。記者に囲まれた良次をみつめる美津は、良次の弟・宏の恋人だ。宏も写真家としての腕を持っていたが放浪癖が災いし、ドラマーになると神戸へ行き、便りのないまま一年の月日が流れていた。そのころ横浜駅に、人目を避けるように降りたった男がいた。宏だ。電話ボックスで美津に連絡した宏は「三号倉庫だ!」と告げて電話を切った。宏との久しぶりの再会は「このフィルムを預ってくれ」という一言だけだった。駈けつけた良次は、美津の手にフィルムが握られているのを見て不吉なものを感じた。疾走する宏のタクシーの前に、一台の車が廻り込んだ。神戸から宏を追ってきたジョウと高井だ。宏は不敵な笑いを浮かべ、四、五枚の写真をつき出した。それはジョウたちが外国船で密輸取引きをしている現場写真だった。良次と美津は、フィルムを包んであっ...
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