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家康の没後十数年、いまや徳川幕府は外様大名の取り潰しと切支丹弾圧に必死だった。外様大名の雄、筑前の黒田長政は五十二万石の安泰を図るため、剛毅な嫡子忠之の廃嫡を決意するが、若侍たちの訴願と城代家老栗山大膳の忠誠に動かされ、大膳に後事を託して永眠した。家督をついだ忠之は鷹狩りの一日、猟師弥次兵衛の娘お秀を見染めて側室に迎え、弥次兵衛を士分として抱えた。また、忠之は軽輩から取り立てた寵臣倉橋十太夫の進言で二百人の足軽隊を組織し、鉄砲、大砲を調練させ、事態を憂慮する大膳の諌言に耳をかさなかった。大膳の長崎勤番の留守中、忠之は切支丹信徒のお秀の方の懇望で、禁制の軍船建造に着手したが、賦金の倍額取り立て、作業員の使役、強制寄附など、漸く領民に怨嗟の声が昂まった。幕府は大目付竹中妥女正を実情調査に差し向けたが、これを知った大膳は途中で足止めさせ、腹心に命じて軍船を...
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