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周朝衰えて群雄割拠する戦国時代、戦禍は果てしなく続いていた。この時若き秦王政は救民救国の理想に燃えて西陬より立ち上った。紀元前二二一年、秦の中国統一は成り世界最初にして最大の帝国が誕生した。秦王は自らを始皇帝と名乗り、新たに咸陽を国都と定め、中央集権制度を確立した。全土に平和がもたらされ始皇帝の偉業は着々と進められていったが、中でも豪華を極めた阿呆宮は国民の目をみはらせた。美姫三千を越えるといわれるその中で、とりわけ朱貴児という美しい女を皇帝は愛した。燕の国の太子丹はひそかに秦への反抗の機会を狙っていたが、策をめぐらして刺客荊軻を咸陽に送りこんだ。皇帝に拝謁した荊軻は隙をうかがいかくし持った短剣を彼の胸につきつけた。しかし武人の情から、王者に相応しい最後をという所望を聞入れたために荊軻は皇帝をとり逃した。そしてたちまち武官に囲まれた荊軻は自らの胸を開...
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