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昭夫は小沼物産の社長小沼重太郎の次男であるが、父の過去の女である料亭“菊村”の女中高木芳子との間に生れた子供だった。重太郎は余り家庭をかえりみず、昭夫と同じ年頃の平井雅子という女を可愛がっていたし、兄の敏彦は父の威光で総務部次長におさまり、嫁の由美子を女中同様に扱い、弟の弥寿彦はカリエスで寝たっきり、母の陽子は嫉妬に明け暮れてるといった複雑な家庭であった。そんなためか、昭夫は冷めたい青年に成長していた。或る日、重太郎が川奈で雅子とゴルフに興じていた時、突然昭夫が現われた。驚く父に、雅子のことを母に内証するからといって三百万円をださせた。そんな昭夫に雅子は強く惹かれた。数日後、雅子は昭夫を競馬に誘った。昭夫はつき合いの料金をガッチリ取ると雅子のお伴で競馬場へ行った。だが、馬券も買わず、雅子の隙をみて多摩川べりに散歩に出た。昭夫は、そこで絵を描いていた氏...
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